女児虐待死事件・徹底した再発防止への取組み

 

本年1月、野田市で小学4年生の女児が親の虐待により亡くなるという、絶対にあってはならない大変痛ましい事件が発生してしまいました。

 

このような悲しい事件が二度と発生しないように、私たちは全力で再発防止に努めなければなりません。

 

3月8日に閉会した2月定例県議会では、事件を受けて、すべての会派と多くの議員により、再発防止に向けた質問や提言が行われました。

 

今回は、①議会・所属会派・プロジェクトチームの対応と、②ICTを活用した業務執行体制の強化に関する私の質問、の大きく2つに分けて御報告します。

 

 

 

①議会・所属会派・プロジェクトチームの対応について

 

 

 

○「女児虐待死事件の徹底した真相究明と再発防止宣言」を可決

 

8日の閉会日には、本会議で、「今後、事件の真相究明と徹底的な検証を重ね、児童相談所の専門職員等の配置強化や効率的かつ実行力のある業務に繋げる方策にとどまらず、一時保護解除後における児童相談所の継続指導や学校・警察等の関係機関との連携や情報共有の見直し、威圧的で強い態度の保護者にも躊躇なく毅然とした態度と姿勢で職務を遂行することができる体制の構築など、あらゆる対策を検討し、執行部と一丸で再発防止に全力で取り組むこと」を宣言しました。

 

 

この宣言は、各議員がそれぞれ自覚を持って全力で取り組むとともに、任期による時間の制約を踏まえて、次期の議会構成メンバーへの確実な引継ぎを意味します。

 

 

 

○自民党から執行部への「申入書」

 

再発防止宣言の可決後、会派プロジェクトチーム(以下「PT」といいます)で取りまとめた申入書を、知事、教育長、県警本部長に提出し、対応を求めました。

 

 

申入れは、第三者検証委員会による検証結果を待つのではなく、すぐに取り組めることとして、次の対策を速やかに講じることを求める内容となっています。

 

 

 

1 児童相談所の体制強化について

 

 ・職員増員の前倒しを実施するとともに、研修の更なる充実を行うこと

 

 ・最新のICT活用等により現行システムを改善し、業務効率と負担軽減、リアルタイムの情報共有・進行管理に繋げ、業務執行体制を強化すること

 

 ・職員増員に伴う業務スペースの確保、一時保護所の増設等の施設を充実させること

 

 ・圧力等に対しても躊躇なく職員が業務を遂行できるように、必要に応じて迅速に警察や弁護士のサポートを受けられる体制を構築すること 

 

 

 

2 児童相談所と関係機関との連携強化について

 

 ・警察との間において、虐待対応事案の全件の情報共有に向けた取り組みを行い、連携を強化すること

 

 ・市町村との間で、リアルタイムで情報を共有できる体制を構築し、役割分担の明確化と相互補完を強化していくこと

 

・船橋市や柏市など、児童相談所の設置を検討している自治体への充分な支援を行うこと

 

 ・今回の事件を踏まえて、千葉市との連携についても、改めて見直す点がないかを検証し、強化に努めていくこと

 

 

 

3 警察における体制強化について 

 

 ・児童虐待に関わる警察官の体制を充実させ、より積極的な子供の安全確認と保護の実施に繋げること

 

 

 

4 学校における体制強化について

 

 ・教職員の児童虐待対応に関する研修を充実させること

 

 ・アンケート調査等の情報の適切な管理を徹底すること

 

 ・教職員が圧力等に毅然と対応できるように、スクールロイヤーの導入等を含めた体制を構築すること 

 

・個々の虐待事案について、関係機関との情報共有や連携を強化すること

 

 

 

5 本事件の検証について

 

 ・第三者検証委員会の検証と併せて、県内部での検証も行い、出来る限り速やかに再発防止策を講じていくこと。

 

 ・過去の答申での改善策が現場まで浸透していたか、虐待対応マニュアルの浸透方法を含めた検証も徹底して行い、再発防止策に繋げること

 

 

 

6 安全確認の緊急点検について

 

 ・速やかな緊急点検の完了及び結果の公表と、今後の対応への検証を行うこと

 

 

 

7 県民への啓発強化について

 

 ・児童相談所全国共通ダイヤル(189)及び通報義務の県民認知の徹底と、通報を受ける体制を強化すること

 

 

 

○PTで条例改正の検討を開始

 

PTでは、再発防止策の後押しに必要な条例改正の検討を開始しました。

 

 

 あくまでも私の「案」ではありますが、例えば、威圧的で強い態度の親にも躊躇なく毅然と対応するための支援規定や、児童相談所の業務執行体制の強化に繋がる先端技術を導入するような規定、体罰禁止を明示する規定などを加えるべきです。

 

 

 

<改正規定のイメージ>

 

 

・17条の2(職務遂行及び職員の保護)

 

関係機関等の職員は、どのような保護者に対しても、子供の利益を最善に考えて、躊躇なく毅然とした態度と姿勢で職務を遂行するものとする。

 

前項の目的のために、県は、児童相談所の職員が必要に応じて直ちに法的助言等が受けられる充分な支援体制を講ずるものとする。

 

第一項の職務遂行をした職員は保護されなければならない。県及び関係機関等は、児童虐待の存否に関わらず、人事評価等の不利益な取り扱いは一切行わないものとする。

 

 

 

・17条の3(先端技術の活用)

 

 県は、ICTやAI等を活用し、対象子供への切れ目のない支援、児童相談所及び関係機関等の間での情報共有の強化、及び児童相談所職員の業務負担の軽減に繋がる施策を講じるものとする。

 

 ・・・等

 

 

 

今後PTでは、改選を経て立法事実の調査・研究を進めることとし、実効性のある条例の改正を検討していきます。

 

 

 

 

②「ICTを活用した業務執行体制の強化」に関する予算委員会での質問

 

 

 

事件に関しては、第三者検証委員会の検証が始まったところですが、現時点で明らかな事実関係の下でも、各場面でたくさんの危険信号があったにも関わらず、児童相談所や関係機関が、それをキャッチして、対応できなかったことが伺えます。

 

 

私は、この背景に、児童相談所の業務の「超多忙化」が存在することは否定できないと思っています。

 

 

 

○児童相談所の現状について

 

・虐待相談対応件数は増加傾向が続いている

 

H21:2295件 ⇒ H25:4561件 ⇒ H29:6811件

※約3倍増に

 

 

 

・ケース担当の児童福祉司数は増えている

 

H21:82人⇒H25:99人⇒H29:124人

 

※件数の増加割合になかなか追いつかない・・・。

 

 

H30+20人、H31+35人(予定) ⇒ H31:189人(見込み)

 

※平成29年度から5年間で約200名の児相福祉司及び児童心理司等

 を増員中

 

 

 

・経験が浅い職員割合も増えている

 

勤続年数が5年未満の児童福祉司及び児童心理司の割合は67%

 

 ※一人前になるまで「約10年」と言われ、採用に加えて育成も課題。

 

早急に体制強化策を講じ、児童相談所の現場を応援していかなければなりません。

 

業務執行体制の強化へのICT活用  <関の質問:前期「申入書」の「1」と対応> 

 

児童相談所の従事業務の過重負担や質の向上ケースの適切な情報共有や進行管理といった課題を、タブレット端末等のICTを活用することにより、解決・改善させ、徹底した再発防止へと繋げていくべきではないか?

 

 

 

○当局の回答

 

『既存システムの抜本的な見直しについては、他県の先進事例等を参考にし、現場を担う児童相談所や関係部局と十分協議しながら、検討してまいりたいと考えています。業務の効率化、知見の共有、そして活動の強化といった視点から、ICTの活用は非常に重要であると認識しております。

 

タブレット端末については、現場で有効活用することは、技術的に実現可能な部分もあると承知しています。今後は、総務部をはじめとする関係部局と協議の上、業務改善に向けて早期実現を目指して取り組み、このような事案が二度と発生しないようなシステムや業務フローの見直しを検討実現してまいりたいと考えています。』

 

 

 

○現場のICT活用への期待

 

ケース担当の職員は、基本的に地区に担当することとなっており、主担当の案件の平均は30~40件ほどで、時に100件を抱えることもあるようです。

 

 

<作業の二度手間>

 

ケース担当は、リスクアセスメントシートの作成や面談・会議等の進展に合わせた紙媒体の作成に加えて、一定の情報を整理したうえで、現行のシステムに入力する作業が二度手間となっているようです。そのため、多忙な状況の中で、入力の遅れや失念が生じてしまうこともあるようです。

 

 

⇒ 当局の反応:『現在のシステムでの入力については、タブレット等での入力はできない形となっているので、改善の余地はあると考えます。』

 

 

<移動時間の負担>

 

市町村での個別支援会議への参加や所内の検討会議への出席にあたっては、移動時間の負担が挙げられるようです。

 

地域によっては、移動に半日近くを要することもあることから、タブレットを活用した電話会議のニーズが高いと思われます。

 

会議の開催にあたっては、各関係機関との日程調整の難しさもあるようで、調整がなかなかつかず、開催が遅くなる可能性も否定できないようです。

 

 

⇒ 当局の反応:『タブレット端末をどう利用するかについては詳細な現場の声までは把握しておりませんが、タブレットの有効な活用方法については、今後、現場の声も踏まえながら、検討してまいります。』

 

 

<経験不足を補う必要性>

 

ケース担当は、新人でもOJTが基本となり、進捗の中で、必要に応じて「虐待対応マニュアル」(冊子)を参照するのが実態のため、このマニュアルがタブレット端末に入っているだけでも相当違うようです。例えば、事案の進行に併せてマニュアル中のポイントをタブレットで示すなどの工夫は可能だと思います。

 

 

⇒ 当局の反応:『勤続年数が5年未満の職員が増えていることは事実ですが、ケースごとの個別の判断において、判断の統一化を図るためにICTの活用をすることが考えられます。』

 

 

 

○私の考え

★もっと早く対応の開始ができたのでは・・・

 

ICTの活用の観点からの『現場の声の把握』はまさにこれからですが、実は遅いと思います。

 

現行のシステムは10年もので、最新の通信技術が活かされていません。

 

技術関係者の意見を整理すると、特に画期的な技術を要するものではなく、似たようなものは他にもあることから、技術の取り入れが時代に追いついていないとの厳しい評価もありました。

 

 

ここは真摯に向き合っていく必要があります。

 

 

本来であれば、児童相談所や児童家庭課が、現場のワークフローを鑑み、担当職員の業務改善に繋がるICT活用を積極的に求める声があがってしかるべきとも思えますが、多忙な業務でそのような余裕がなかったと推察します。

 

その一方で、ICT利活用戦略を策定中の総合企画部においても、児相の現状は分かっていたはずですから、ニーズありと積極的に乗り出して、具体的な把握と、提案に努めるべきであったし、これは、情報システムや行政改革を所管する総務部においても、同じことがいえると思います。

 

現場で必要とされる、使い勝手の良さと必要な機能を十分に備えたシステムを設計し、端末にアプリを入れる必要があると想定され、情報システム課と児童相談所等の現場が、創造力を働かせて丁寧な共同作業を行っていくことが必須であり、相応の時間が必要と考えます。

 

 

部局横断的な決断が必要となります。

 

千葉が全国のモデルになるくらいの意気込みで、早急に進め、児童相談所の現場を応援していかなければなりません。

 

 

★システムの工夫による情報共有・進行管理の強化、今回の事件

 

各タブレット端末に必要なアプリを入れて、システムでネットワーク化すれば、全体で、リアルタイムの情報共有・確認が可能となり、また、一元的なフィルターをかけることによる客観的な進行管理も可能になると理解しています。

 

例えば、一定の期間、子供の現況確認を行っていなかった場合には、事案の危険度ランクに応じて警告表示をさせるなどです。

 

この情報共有・進行管理については、事件の再発防止とも大きく関係すると捉えています。

 

 

今回の事件では、平成31年1月21日(女児が亡くなる3日前)、児童相談所から小学校へ連絡をして状況確認を行っています。

 

そこで、小学校より「父から小学校に対し、2月4日まで沖縄に帰省している。母方親族の体調不良と本児の希望で沖縄にいる。現在も休みが続いている」との情報があった、とのことでした。

 

 

ここでの児相の対応によっては、女児を救える可能性があったはずです。

 

 

関係機関の相互補完が求められる場面でもありました。第三者委員会でも検証される部分だと考えます。

 

 

ここに、経過事実の危険性を客観的に判断できる仕組みや、進行管理・情報共有を活かせるシステムの構築に繋げていただきたいと思います。

 

 

更に関係することとして、児童相談所でも人事異動があり、平成30年4月にもあったはずです。

 

今回のケースだけではありませんが、主担当の変更などの場面で、その後における子供の現況確認への影響を考慮する必要があります。

ここは、たくさんのケースを引き継いでいく中での情報共有や整理の課題と捉えますが、ここについてもシステムで補っていく必要性は理解されるところだと考えます。

 

 

 

★弁護士による法的助言

 

新年度予算により、全児童相談所に弁護士が配置されることになります。その背景には、現場で法的アドバイスに対するニーズが高いからです。

 

 

ただ、週一回の4時間の非常勤ですので、利用には制約があります。

 

 

そこで、タブレットのビデオ通話を利用することにより、弁護士から、一時保護や安全確認を行う現場でのアドバイスや、個別支援会議への参加などの幅が広がります。

 

例えば、威圧的な親や非協力的な親に対して、法律家によるリアルタイムでの直接説明は、担当職員にとっては、躊躇なく毅然としたと対応への応援にも繋がると考えます。

 

 

★最後に

 

三重県では、人口知能を用いてリスクアセスメントシート等の分析を行う実証実験を5月から開始するそうです。

 

 

知事が掲げる、「くらし満足度日本一の千葉」を、実現するのであれば、既存の行政サービスの充実は当然として、新しいことを、どんどん積極的に取り入れ、挑戦していく必要があります。

 

 

失敗を恐れるのではなく、それを貴重な経験として活かす意気込みが大事であり、それがなければ、他に追いつくことはできても、更に追い抜き、日本一にはなれないはずです。

 

 

知事・執行部と議会は、よく車の両輪に例えられます。

 

その片輪の一人として、「くらし満足度日本一の千葉」の実現に向けて、部局横断的なものを含めた「案を積極的に提言」し、責任を持って推し進めてまいります

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